
今朝の日経には、表現やエンターテイメントに関わる二つのコンテンツがあった。
一つは、国内マーケットにおける洋楽や洋画の衰退。そしてもう一つは、アンジェイ・ワイダ監督のインタビューである。
なぜ洋楽が売れないのか。これは明らかに、今の若い世代にとって〝切実感を共有できる舞台装置〟が失われているからに他ならない。そして代替となる国内系の楽曲もあふれかえっている。かつて、私のようなおっさん世代にとっては、音、チューンのリアリティと切実感は、洋楽にしか求めようがなかった。今のように簡便かつ容易に手に入るようなことはなく、限られた情報、限定された入手機会(輸入レコード屋であったり、FM放送のエアチェックであったり)は、否応なく切実感を醸成し続けた。
アンジェイ・ワイダ監督の「灰とダイヤモンド」もまた、切実感が溢れる作品である。「鉄の男」にしてもしかり。歴史に翻弄されるポーランドの現実を踏まえながら、スクリーンから迫りくるリアリティにこのうえない切実さを受け止めたものだった。マチェックが呷る火の酒、シーツに包まりながら息絶えるラスト。名画座、伝説の監督、「ワルシャワ蜂起」「連帯」。切実さを演出する舞台装置は時代そのものの所為だったのかもしれない。
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