開設者のプロフィール 上田 正巳 経済誌でライターを勤めるかたわら札幌市内のベンチャー企業経営者を組織化した「上勇会」を運営。2000年5月に中小企業向けクラウド・コンピューティング・サービスを手がける株式会社イー・カムトゥルーを設立。
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2006年 06月 17日
夕張市がついにギブアップすると聞いて、3年前に亡くなった元夕張市長の中田鉄治翁のことを思い出している。
夕張市はいわゆる財政再建団体ってやつに転落する。行政機関の財務処理は少々理解しにくいのだけれど(特にバランスシートの資本の部がわからん)、年間の一般財源の10倍以上にあたる500億円の負債がある。民間企業ならば民事再生法の申請となるのだが、自治体の場合は債務カットはないので金融機関はビクつかなくても良い。起債された地方債などは一応はデフォルトにはならんようだ。 似たようなケースでは、昔、信用金庫なんかが「決算承認金庫」に転落するってのがあった。破綻寸前の金融機関が監督官庁(昔なら大蔵省、信組なんかならば監督する自治体)の管理下におかれる制度で、北海道内でも転落寸前のところがいくつか存在していたのだ。そうそう、昔そのリストを入手したこともあったわな。 で、夕張市の財政をこの状態に追い込んだのは、6期24年務めた元市長・中田鉄治の進軍ラッパ行政であることは誰もが認めるところだ。 炭鉱の町夕張は山の灯が消えてからというもの斜陽の一途。最盛期の昭和30年代前半に12万人いた人口も今や1万3千人あまり。そんな街の再生を「炭鉱から観光へ」というスローガンに託して猛進したのが中田前市長である。廃坑跡に石炭の歴史村という遊園地を作り(第3セクターでだ!)、そして90年には「ゆうばりファンタスティック映画祭」を誕生させている。 市長時代の中田翁と何度か飲んだことがある。確か98年と99年の2回、場所は加森観光でやっているアートホテルズ札幌の中にある「川甚」だ。 【注】川甚というのは札幌の花柳界を代表する割烹であったのだが(芸者さんが上がる料亭っ て意味ね)、花柳界の衰退にともなって加森観光に身売り、今ではこのアートホテルズの中の 一和食処として名前を留めるのみである。 中田翁持参の夕張焼酎の「寅次郎」を飲みながら、映画祭に賭ける思い、観光再生にかける意気込み、夫人に先立たれた後のヤモメ暮らしぶりなんかを聞かせてもらった。どう考えてみても、財政破綻を加速させている破天荒爺さんなのではあるが、結論から言うと私はこういう爺さんがかなり好きである。 乱暴な言い方だが、たかだか500億ぐらいのことでガタガタ言うな、というのが正直なところ。(潰れた拓銀なんかは、大阪の焼き鳥屋のおやじに3000億円も騙し取られて何にも残ってないんだぜ、けっ。それに比べりゃ、夕張にはずいぶんいろんな有形無形のものが残されているじゃねぇか) どうせなら債務カットして、ゼロ金利でぶくぶくに恩恵を受けている金融機関に泣いてもらうことぐらいしてもバチは当らんだろうとも思う。あの爺さんが無茶をしなかったら、今や世界的にも認知されている(というか国内よりも海外からの評価の方が高いわけだが)夕張ファンタスティック映画祭は生まれていないのだ。デニス・ホッパーが、タランティーノが夕張に来ることもなかったのだ。この映画祭の認知度、そのプレゼンスを考えれば500億くらい安いものではないか。 財政再建団体に転落することで、来年からの映画祭開催はかなり危うい状態になる。 夕張市民会館の2階に、中田翁が残したシネサロンがある。市職員時代にかなり無茶なやり方でこしらえた夕張最後の映画館だ。ここに宿る亡き中田翁の夢。 タランティーノあたりが音頭をとって、映画祭存続のための基金でも作ってくれんかのう・・・
by masami-ueda1
| 2006-06-17 20:32
| 暴論
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